【現実を視よ】読書感想文

本日は書評、・・と言うより”読書感想文”。
そんな・・。超一流経営者の書いたモノへ、私なんぞが「評」なんておこがましい。
あくまでただの感想文です。「こんな本があります」という紹介であり、また自分へのメモも含みます。

本書は、以下の通り2012年10月初版発売。
おそらくそのときに購入し、一度読んで「ほほーぅ。」と唸り、本棚に飾っておいたw

脱サラを決意したいま、改めて読んでみた。

まず、約4年前の著作とは思えない。当時といまは、状況がほぼ変わっていない(=悪い意味で)。むしろ悪化している。その点で「いま読む価値がある本である」ことは、強く言える。

その一方で、当時はまだ会社員として頑張っていこうと思っていた時期の筈であり、モチベーションが上がったような気がする。ただしキャリアアップのために、なにか行動を起こしたわけではない・・。私生活では、大きな変化を起こしましたが。

でも改めて読み返し、「脱サラして身を立てようとしている私は間違っていない」という、手ごたえっぽいものを掴めた気がする。

私の本棚の中でも、超お奨めの一冊です。
内容は熱いのですが、文体が易しく、テンポ良く読めます。

概要:

現実を視よ
著者: 柳井 正
2012年10月4日 第1版 第1刷発行
PHP研究所

要約:

本書は、ご存知ユニクロの創業者である柳井氏の、「亡国論」とも言える著作。
「現実を視よ。(さもないと、日本はこのままでは本当にまずいぞ)」という内容。

この本を書くことは、一経営者としては正しい判断ではないのかもしれない。
だが、書かずにはいられない。
私はこの国に生まれ、この国を愛しているからである。(p.22)

経営者としての立場から、政治に関するコメントは避けてきた。自由に発言すれば、ビジネスに悪影響があるかもしれないが、もうそんな悠長なことを言っている場合ではない、と。

他人を思いやる気持ち、組織に対する忠誠心、勤勉で努力を惜しまない、清潔できれい好き、謙虚に学ぶ姿勢、異質のものを受け入れて昇華させる懐の深さ、侘び寂びや人情の機微がわかる力・・・。
私たち日本人は古来から、このような資質を脈々と受け継いできた。歴史を通してこれだけ高い精神性をもった民族は、世界広しといえど日本人以外にはないはずである。
そうした素晴らしい資質を有しているはずの日本人が、断崖絶壁に追い詰められている。国家存亡の危機に立たされている。(p.20)

日本が滅亡する理由は、国債の債務超過による、通貨の暴落を経た国家財政破綻。
その要因について、著者は以下の通り指摘する。

  • 政治家、官僚の無為無策を始め、国全体の「平和ボケ」
  • 「平和ボケ」の具体内容は「現実を直視しないこと」
  • そしてそれは、太平洋戦争の敗因と同じであること・・

中央と地方を合わせて1000兆円を超える累積債務を抱えていながら、それを返せる当てがあっていまの国家予算を組んでいるとは到底、思えない。
(中略)
謙虚で大人しく、文句を言わないことは日本人の美徳である。しかし、それも場合によりけりだろう。国民はもっと怒るべきではないか。(p.126)

人間は、すぐ近くまで危機が迫っていても、実際に痛みを感じないと、それを危機として認識できない。その欠陥を補うために知性があるが、そうした知性を働かせることが、日本人はきわめて苦手なのではないだろうか。
不朽の名著『失敗の本質』をものした野中郁次郎氏にお目にかかったとき、太平洋戦争の敗戦も、バブル期以降の日本の衰退も、その本質は似ている、という話をされた。目の前にある現実を視ないで、過去の成功体験にとらわれて変化を嫌う。論理よりも情緒を優先し、観念論に走るといった特性は、時に取り返しのつかない結果を招く。(p.80)

当時、アジアは”ゴールドラッシュ”
ユニクロも積極的に海外進出し成功しており、「2020年までに、ユニクロは日本を含めて世界で約1100ある店舗を4000店舗にまで増やし、ファーストリテイリンググループでは売上高五兆円、営業利益一兆円を達成することを宣言している」(出版時=2012年)

それが日本の生きる道のひとつであり、グローバル企業となっても「日本人の強み」を活かしたブランドにしたい、と。

日本人の強みは、勤勉で努力を惜しまない、仕事に対する責任感、高いサービス精神、謙虚に学ぶ姿勢などである。とくにユニクロの海外従業員が日本人従業員をいちばん尊敬する点は、「隣人に対する思いやり」。
(中略)
原発事故のとき、危険を顧みず、事故の収束にあたった日本人の姿は世界を感動させた。利益は大事だが、ユニクロはあくまで顧客のため、社会のため、を第一にしたい。ザラやH&Mにはない強みを活かすことで、ファーストリテイリングは「日本代表の世界企業」として、堂々とグローバル競争の舞台に上がることができるのである。(p.70)

そのうえで、ユニクロだけでなく「国全体」として復活するために、政治・経済に関する具体的かつ有効と思われる提言があるが、ここでは触れない。
最後に、主に若者へ向けたメッセージ。

いま、自社の社員だけでなく、日本中の人に言いたいことがある。
「志をもって生きよ」
日本人が必要としているのは、まさにこれではないか。(p.187)

いま読み返してみて、伊勢谷友介が降臨しましたーw
「きみの志はなんですか?」だったかな。
(NHK大河ドラマ「花燃ゆ」です。ただし本書は2012年、大河ドラマは2014年。本書の方が先です。)

誰かが変えてくれるだろうーそう思っているうちはいつまで経っても何も変わらない。
国の主役は国民である。日本を衰退させてなるものかという意識をみんながもって、あるべき未来のために、自分は何ができるのかを考える。当事者になる。そして実行する。
そうなったとき、この国は変わる。(p.235)

所感:

熱い。熱すぎる・・。
社会を捨て、自分の食い扶持確保だけを考えようとしている私には、眩しすぎる。

国のことを考える余裕は、いまの私には無い。いまは自分のことだけで精一杯。

しかし、私は「志」はもっている。
会社員を辞め、会社に頼らない生活基盤を確立し、いつか就農したい。
そのうえで、他人の心配ができる余裕が生まれたら、できればNPOやNGOなどで誰かの役に立ちたい。

そんな日が来ることを目指し、いまは志をもって日々がんばるだけです。

メモ:

かくすれば かくなるものと知りながら
やむにやまれぬ 大和魂

長州(山口県)の大先人、吉田松陰が詠んだこの歌は、黒船の来航でこの国の将来に大きな危機感を抱いた松陰の思想の根底にあったものが、大和(日本)への思いだったことを示しているのではないか。(p.21)

松下幸之助は敗戦時、PHP(Peace and Happiness through Prosperity=物心ともの繁栄を実現していくことにより、平和と幸福をもたらす)との考え方を唱えた。(p.97)

「企業がその使命を果たし、社会に貢献していくためには、常に安定的に発展していかなくてはならない。企業の業績が不安定であっては、その本来の使命も十分果たせず、また社会に対する利益の還元、株主への配当、従業員の生活などいろいろな面で社会に好ましくない影響をもたらすことになる。
だから、どんな情勢にあっても、企業は安定的に成果をあげていかなくてはならないわけであるが、一面にまた、経営というものは、正しい考え、正しいやり方をもってすれば必ず発展していくものと考えられる。それが原則なのである。(中略)
不況だから利益があがらなくても仕方がない、というのも一つの見方である。しかし、現実に不景気の中でも利益をあげ、業績を伸ばしている企業があるということは、やはりやり方次第だということではないだろうか。
つまり、業績の良否の原因を、不況という外に求めるか、みずからの経営のやり方という内に求めるかである。経営のやり方というものは、いわば無限にある。そのやり方に当を得れば必ず成功する」(いずれも『実践経営哲学』)

正常であれば、必ず成長する。逆に成長していないのなら、何かがおかしい。その言葉を私たちは重く受け止めるべきではないか。(p.120)

Whatever is, is reasonable.
起こっていることは、すべて正しい(p.190)

資本主義社会では、挑戦は、すればするほど得になる。人間の劣化の度合いは、挑戦の数の少なさに比例すると言ってもいいかもしれない。
ただし、やってはいけない挑戦もある。それは、失敗したら息の根が止まるような、無謀な挑戦。
致命傷を負ってしまったら、学んだことを次の機会に活かせなくなってしまう。それでは元も子もない。
あらかじめ、ここまでの失敗なら耐えられるというラインを決めておき、いよいよマズい、となったらその直前で撤退する。私はいつもそうしてきた。(p.210)

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